自転車はなぜ倒れないか 2

ジャイロの効果は逆回転のジャイロで打ち消されるのか?という点がどうしても分からなかったのだが、何となく打ち消されそうなことを理解出来てきた。

ちなみに、形式的な説明「角運動量の合計はベクトルで計算出来るから、角運動量保存に基づいて働くジャイロ効果は逆回転するジャイロによって打ち消される」というのは形式理解出来るので、問題は「それを成り立たせている細部についての理解」の問題。これが理解出来ないと「形式的に回転量を合成出来る条件*1」が理解出来ない。



疑問だったのは「ジャイロの効果が変化を打ち消す方向に働く力なら、逆回転するジャイロも同じ力を発生するはずなのでは?」という点だったのだが、実は前提の「打ち消す方向に働く」というのが間違っているらしい。

「回転軸に力をかけると、その方向から90度ずれた方向に回転軸が傾く」という現象があるそうなのである。(回転物体にかんする物理はちゃんと習ったことがないので計算の理屈が分からないのだが、三角関数微分すると位相が違うグラフになるということが原因らしいのである程度納得出来る。普通のコマがあれば実験可能だし。)


この点から考えると、「ジャイロで発生する力」でも「位相のずれ」が存在するはずで、しかもジャイロが逆回転である以上ずれる方向が逆になる。力のかかった方向から逆方向に90度ずつずれると、ちょうど180度ずれることになってジャイロの効果がキャンセルされることになりそうだ。同時に、回転軸が違うと単純にはキャンセルされそうにないことも分かる。

*1:回転軸が同一、が条件であるらしい。