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痛いニュース(ノ∀`) : 【口蹄疫】 鳥越俊太郎「人に感染せず、食べても大丈夫。ならば、なぜ殺処分などそこまで厳重にするのか」…スパモニで発言 - ライブドアブログ

…ひょっとして、「テレビに出ている人が言っていることは常に間違っていない」とか思っているんだろうか。

ついでに、「法律でこうすること」と決まっていることは常に間違っていないと思っているんだろうか。

どうしてそう決まっているのか?という疑問は常に提示しなければならないと思うのだが。

科学者、政治家、ジャーナリストの仕事は「どうして?」ということだろう。


この件で引っかかったのは上のことなので、以下は余分なことなのだが、正真正銘の専門家もどうして殺処分なのか疑問に思っているそうだ。

霊長類フォーラム:人獣共通感染症(第116回)口蹄疫との共生

リンク先のページ*1にはこう書いてある。

ところが、1920年代に起きた発生では、殺処分対象の動物数が多くなりすぎて、順番が回ってくる前に回復する動物が出始めて、農民は殺処分に疑問を持つようになりました。殺処分するか、それとも口蹄疫と共存するかという議論が起こり、議会での投票の結果、わずかの差で殺処分が勝ったと伝えられています。これが現在まで続いているわけです。

(注:口蹄疫にかかっても、成獣はほとんど死にません。幼獣で50%程度?とされます。つまり、口蹄疫でその年の仔が全滅することは考えられても家畜の群れが全滅する事態はあまり想像できません。免疫のある親から生まれた幼獣だと死亡率も変わってくる可能性があります。)

現在のように地球規模で物と人が移動する時代、これまでのように殺処分方式だけで清浄状態を保つことはますます困難になってきています。先に述べたような欠点を克服したワクチンを開発して予防する方式がいずれ必要になると考えられます。

新しいワクチン開発の技術を応用すれば、それよりも高い免疫力を持つ有効なワクチンの開発も可能と思います。口蹄疫ウイルスの侵入は起こりうるという前提で、動物を大量に殺すことなく、感染の広がりを阻止することを真剣に考える時代になっていると思います。ワクチン領域ではそれだけの技術進歩はすでに得られているはずです。


つまり、口蹄疫についてのちゃんとした知識があったとしても、自動的に「殺処分にするべきだ」という回答を導き出すことはできないと考えられます。個人的には、むしろ殺処分を全く疑問に思わない方がどうかしているという気もします。現状、殺処分にする理由は「輸出に影響があるから」「出国時に検疫が必要になるから」であると考えられる*2のですが、これを十分な理由と思えるかどうかはかなり微妙です。

あと、きわめて厳密に言えば口蹄疫は人にうつるそうです。

*1:ちなみにこのページには「農林水産省ホームページ」「(リンク)口蹄疫に関する情報:農林水産省」「(リンク)消費者の皆様へ>口蹄疫について知りたい方へ」「(外部リンク)参考文献:口蹄疫」=「(動物衛生研究所ホームページ)口蹄疫」「(外部リンク)人獣共通感染症連続講座 第116回口蹄疫との共生」でたどり着く

*2:ちなみに今現在とりうる対応としては、法律で決まっているので殺すしか選択肢がないともいえる。この後、法律を変えるかどうかの問題。