簡単な確率の話

竹中平蔵を叩いてる人はどうしちゃったの?数学を使わない説明するからちゃんと読め - 宇宙線実験の覚え書き


実はその妊婦の例も計算は間違っているのですよ…*1


まぁ、高校レベルで確率の授業を受けた人は、概算のためでも「87%を30で割る」ようなことは普通しません。

問題
サイコロ(6面体)を1つ振って1が出る確率は六分の一である。
サイコロを6回振って1がでる確率はいくらか?

「少なくとも1つ1が出る」と読むとすると、0.665102023(66.5%程度)です。

計算は 1-(\frac {5}{6})^6 = 0.665102023


これについては、「まぁ、6回振っても1がでないことは結構あるよな」というぐらいの理解でも構いません。

問題
サイコロ(6面体)を6回振って1がでる確率は66.5%である。
サイコロを1つ振って1が出る確率はいくらか?

当然、六分の一(16.7%)です(笑)


「87%を30で割る」というのは二つ目の例で「66.5%を6で割った」に等しい計算なので、猛烈に突っ込みが入るわけです。


簡単にするために許されるのは「地震の発生が完全に独立な確率に従う(どの年でも発生確率は同じ)」という仮定まででしょうね。その仮定をした場合、「30回繰り返した条件で87%になる確率はいくらか」をちゃんと計算しなければなりません。

 1 - (1-p)^{30} = 0.87
 (1-p)^{30} = 0.13
(1-p) = 0.13^{1/30}*2
p = 1-0.13^{1/30} = 0.0657464034

(なお、同様に計算すると、一月あたりで0.00565125134になります。)


ちなみに、この「地震の発生が完全に独立な確率に従う(どの年でも発生確率は同じ)」という仮定を確立統計の言葉で言うと「地震の発生確率はポアソン分布に従う」というのです。*3

<訂正>「二項分布に従う」だった。「二項分布」と「ポアソン分布」はにているが違うもののような気がする…(ポアソン分布は二項分布のサンプル数を増やしていった極限?)

*1:コメント欄を見て、事例の計算は「試行の独立を仮定していない」という前提が省かれているようであることが分かったので、間違いとも言い切れない事が分かった。あとになるほどその日に生まれるという条件付き確率が高いというのは妊娠という事例に対してはだいたい正しいと思うので、事例自体はおかしくない。事例の性質に関連するので、確率の例としてはおかしいけど…

*2:mime texでn乗根ってどう書くんだ?

*3:こんなの見たのは大学以来だ。正確には「独立で一定な発生確率を仮定した場合、その試行結果はポアソン分布に従う」というべきか?