解像度の表記法(dpi/ppi/lpi)

仕事中に久しぶりに話題になった。
やはり問題が混乱するのは「dpi/ppi/lpi」がごっちゃに使われているところだろう。
多分、混乱なく使い分けるには以下のようにすればいい。

  • dpi

ドット・パー・インチであるから、最小単位は「点」で、これは「あるかないか」の二択のみで表現される。(スキャナーの設定画面などでみられる、いわゆる「モノクロ二値」のデータ。)従って、一ドットのデータは一ビット程度。黒か白しかないので、解像度が低いとファックスのような奇妙な印象に仕上がる。モノクロレーザープリンタなどはこれが単位だろう。

ピクセル・パー・インチであるから、最小単位は「輝点」。ドットに似た概念であるが、輝点は「色情報」を持っているのでデータ量はきわめて多くなる。色数×階調数で一輝点がどの程度の情報を有するかが決まる。いわゆる「24bitカラー」なら一輝点当たり24bit程度か。(これは三色×256階調(8bit)である。)モノクロ256階調なら、輝点辺り8bit。モノクロの場合、像の境界に当たる部分は灰色になるので拡大すると「にじみ」が見られる。見た目にはこちらの方が自然になる。画面とスキャナーは本来これが解像度の単位だろう。カラープリンタなども、基本的にはこれが単位ではないかと思う。

  • lpi

ライン・パー・インチであるから、最小単位は「線」。といっても普通はなじみはないと思うが、商業印刷で使われる概念である。(概念としては、印刷する対象を細い帯状に切り分けて、その帯の情報を太くなったり細くなったりする線で置き換える、といった感じか。)線といっても結局は点の連続で表現される*1ので、見た目にdpiに似ているが、一番の違いは「点に大きさの違いがあること」。一般で売られているプリンターでも「バリアブルドット」とか「最小インキ粒1pl」とか書かれているものは、lpi単位であると理解した方がいいのではないかと思う。*2出来上がりの印刷物で解像度というと本来はこれになるはず。「点の大きさ」のバリエーションによって真の情報量は異なってくる。「600dpi/2400dpi相当」などという場合、「ドットのバリエーションが4段階ある」ということなのか、「最小のドットが2400dpiの時と同じ」なのかが分からなかったりする。個人的には後者ではないかと思うが。

*1:いわゆる「網点」

*2:本来、「線」には最小網点という概念があって、「白」であるところにもある程度の「点」を置いているから、ちょっと違いがあるのであるが。同様に、「真っ黒」なところにも若干白が残る。まぁ、漫画雑誌などを見れば分かるだろう。この点については、インクジェット式では印刷ムラとして同じ現象が見られるはず。ついでにいうと、たいていの印刷では「線」は画面に対して斜めに置かれているし、多色刷りでは各色ごとに角度を変えて配置する。その角度の組み合わせは意外と「伝統」だったり「勘」だったりするそうだ。根本的に考えると、印刷する内容に従って毎回最適な角度構成が変わってくるのだろう。